【今日の山頭火さん】第66回:4月18日の山頭火さん

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April 18,2024 #66 85 years ago 山ふところの山さくら花ざかり
『今日の山頭火さん』第66回で利用する画像です
4月18日の山頭火さん

山頭火さん、三重県伊勢を旅しているようです。

山ふところの山さくら花ざかり

山頭火さんのいる伊勢では、この時まだ桜咲いていたんでしょうかね。

現在、私の住むあたりは、桜、ほとんど終わっております。

桜前線は今頃、青森あたりを北上中でしょうか。

私の実家のある街、私が子どもの頃過ごした所には、さくら名所100選に選ばれた場所があります。

子どもの頃を振り返って、春の記憶といえば、間違いなく桜です。

桜が咲きだすと、普段静かな場所に、大勢の花見客がやって来るようになります。

いろいろな屋台も出てにぎやかです。

そうなると、近所の子どもたちは、みんなソワソワしだして、どうにも、じっとしていられません。

学校から帰ると、親や祖父母に、お小遣いをねだって、屋台へ向かいます。

街全体が華やいだ気分につつまれ、お祭りのようです。

私も、もちろんそんな子どもの一人で、普段のお小遣いとは別にもらう、特別な小遣いを握りしめて出かけます。

なにをしようか。

金魚すくいか、ヨーヨー釣りか。

金魚をすくえたら、連れて帰って家で飼えるのか。

なにかを食べるなら、綿菓子なのか、りんご飴なのか、焼きとうもろこしも捨てがたい。

それとも、キャラクターのお面を手に入れて、ヒーローになりきってのごっこ遊びか。

派手な見た目や、匂いに惑わされながら、屋台の列を、のぞき込みながら考えます。

特別なお小遣いといっても、沢山もらえるわけではありませんから、みんな、子どもなりに驚くほど真剣です。

その真剣さを他のことに使えと、あの頃の私に言ってやりたいです。

宿題も真剣にしなさい。

後々、大変だから。

懐かしい、桜の季節の記憶ですが、いつの頃からか、屋台などはすっかり姿を消しました。

何かの規制でも厳しくなったんでしょうかね。

人出も今は、昔ほど多くない感じです。

屋台が無くなって、人出が減ったのか、人出が減ったから、屋台がなくなったのか…。

それでも、天気の良い日に、お弁当を広げる人たちや、親子連れ、犬と散歩する人など、みんな笑顔なのは昔も今も同じです。

亡き父は、晩年になると、この近所の桜を見て、「あと何回、見れるだろうな」と言っていました。

屋台があったり、酒盛りする人たちがいたり、ごたごたしつつも、にぎやかな、そんな花見の頃を、自分と重ねて、思い出していたのでしょうかね。

気づけば、いつのまにか自分も同じことを、桜を見て、つぶやくようになっています。

散りましたか、そうですか。

淋しい散り際でしたか、ちがいますか。

天晴でしたか、そうですか。

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