【僕の感想】第2回:映画「天気の子」

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本日の対象作品はこちら↓

天気の子(公式サイト)

「君の名は。」で一世を風靡した新海誠監督の2019年7月19日公開の新作長編アニメーション作品。映画のあらすじ・登場人物・声優などの基本データは以下のサイト↓に詳しいので、こちらを参照願います。

天気の子|映画.com

さて、今回の「僕の感想」は2019年7月26日現在、絶賛公開中の映画を題材にしていますので、「ネタバレなし」パートと「ネタバレあり」パートに分けて記載していきたいと思います。

本感想を読んでいただく前に↑のYouTubeの動画を観て頂くと、作品の雰囲気が伝わって良いかと思います。

ネタバレなし感想

「天気の子」は「王道ストーリー」ではなくて、スゴい。

率直にこの映画の感想を述べると「スゴい」です。
何がスゴいって「君の名は」という国民的ヒットの後に作られた映画で、ここまで賛否が分かれるであろう「王道からかなり外れた作品」を剛速球でビーンボール気味に投げ込んでくる新海誠監督の作家性がスゴいのです。

だって、この映画って、とてつもない額のお金・大量の人・多くの企業が関わっていて、マーケティング的に考えると「絶対に外せない映画」であるハズなのですよ。その事はスペシャルパートナーとされている以下の企業7社とのタイアップCMや特設サイトが作成されている事などからも容易に想像がつきます。

サントリー食品インターナショナル株式会社

特設サイト

株式会社増進会ホールディングス(Z会/栄光ゼミナール)

特設サイト

ソフトバンク株式会社

特設サイト

ディップ株式会社(バイトル)

特設サイト

日清食品株式会社

特設サイト

ミサワホーム株式会社

特設サイト

株式会社ロッテ

以上、現時点のタイアップCM&特設サイト提供企業7社の紹介でした。
ちなみに50音順です。

これらの情報は他のサイトでも紹介されていますし、実際のテレビCM等で目にしている人も多いと思いますので、わざわざ本サイトで紹介する事も無いのですが「とても多くの人が関わっている映画である」という事を物量をもって示したかったので、あえて紹介させて頂きました。

さらに言えば、この映画は他にも作中で色々な現実に存在する企業・商品も登場します。
例えばローソンのからあげクンとか。ローソンはスペシャルパートナーとはされていませんが、特設サイトは用意されていますね。おそらく他の商品等も企業に無断で利用しているわけでは無いと思います。

この様に、多くの企業がこの映画には関係しています。
そうであるならば! 本来はこの映画は「誰が見ても安心して楽しめる王道ストーリー」でなければいけなかったハズなのです。そうでなければタイアップ企業のマーケティング的によろしくない。

にも拘わらず! 新海誠監督は以下のインタビューで自ら述べている様に

僕らにとって、お客さんとのコミュニケーションというのは「いろいろな意見をいただく」ということです。ある意味で“賛否両論”が巻き起こるというのも、作り手にとってはすごく面白いことなんです。実際『君の名は。』のときも、賛否ははっきり分かれましたし、ずいぶん批判もされました。でもそれはありがたかった。今回は『君の名は。』よりもさらに大きな舞台。問題を投げかけたとき、いままで以上に大きな波が起きるのかなという期待もありました。

『天気の子』新海誠監督 単独インタビュー|シネマトゥデイ

「”賛否両論”が巻き起こる」作品を作り上げました。この作家性は本当にスゴイと思います。
もちろん、これが実現できたのは新海誠監督の作家性だけに起因するわけではないでしょう。プロジェクト全体として「新海誠の作家性を最大限発揮させる体制」が構築されていたのだと思います。

これはもう、ホントにスゴい事です。この映画製作における重要な意思決定を担う人々のうち、誰か一人でも怖気づいてしまったら、もしくは、少しでもマトモな判断をしてしまったら、きっと、この作品が世に出る事は無かった。でも、そうはならなかった。もう、それだけで僕は「ありがとう…」という気持ちになってしまいます。この映画に関わった全ての人の意志は尊い。

圧倒的な背景美術であるからこそ伝わる「東京」

語りつくされた話題だとは思うのですが、やはり新海誠監督の作品を語る上で「背景美術」は避けては通れません。今作でも、その圧倒的なクオリティは健在です。この圧倒的な背景美術は何も考えずに、その美しさを堪能するだけでも観客に十分な満足感を与えてくれるのですが、今作においては主人公である森嶋帆高が感じた「東京」という街の「空気」を過不足なく観客に伝える役割も担っています。

東京は巨大な街です。
そこには様々な人々が集い、それぞれの欲望を叶えるために常に動いています。
その結果、東京には巨大なビル群がそびえ立ち、網の目の様な交通網が発達しました。
そこには色々なテナントが入居し、色々な車が走っています。
雑踏の陰には場末のお店が並び、そこには(表通りと同じく)露骨な欲望が転がっています。

穂高は生まれ育った離島から東京に降り立ち、初めて、上記の様な「巨大な街」に直面します。
そこで穂高は「東京という街の空気」を嫌というほど体験するのですが…驚くべきことに、本作の観客はそれをスクリーンを通した圧倒的な背景美術により追体験する事が出来るのです。
この「穂高が感じた東京の空気」は「記号化されていない写実的な背景美術」でなければ伝える事が難しいモノだと思います。今作はそれに完璧に成功しています。驚くべき事だと思います。

ネタバレなし感想は以上です。次ページ以降は「ネタバレあり感想」です。

本作をまだ観ておらず、ここまで本感想を読んで頂いた方は、是非、これより先の感想は読む事なく、映画館で本作をご鑑賞して頂きたく思います。本作を鑑賞済みの方は、引き続き以下の感想をお読みいただけると大変嬉しいです。

なお、「ネタバレなし感想」では文体を「です・ます調」で記載させて頂きましたが「ネタバレあり感想」では「だ・である調」に変えさせて頂きます。

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