【Daily Choppy !】第613回:Under the 清水の舞台

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こんにちは。文化の香りのする男、チョッピーです。

Under the 清水の舞台
Under the 清水の舞台

クラシックコンサートの呼びかけと僕の逡巡

先日、Twitterで田中泰延さんがこんな呼びかけをされていた。

大阪フィルハーモニー交響楽団の第546回定期演奏会。大阪梅田から徒歩10分ほどの場所にあるフェスティバルホールで3月17日に開催されるとのこと。

僕はクラシック音楽に明るくない。明るくないというか、まったく知らない。知識もなければ経験もない。なので、いつもだったらこういうイベントには参加しないのだが…。何故かこの日は少し興味が湧いた。

チョッピー
チョッピー

今、僕は大阪に住んでいる。梅田までは電車ですぐ。時間の都合もつく。田中泰延さんも広くお誘いをされている。これは新しい経験をするには絶好のチャンスなのではないか…?

そういうわけで公式サイトの情報を調べてみた。

https://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20210317

曲目は以下の通り。

  • ファリャ/バレエ組曲「三角帽子」第2組曲
  • ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
  • トゥリーナ/交響詩「幻想舞曲集」作品22
  • ラヴェル/スペイン狂詩曲

うん。作曲者も曲のタイトルも初耳だ。なんたる教養の無さ。

また、どうやらお値段は席によって異なるらしい。一番、安い席はC席。それでも4,200円。映画が2回観れる。

ただ、J-POPのアーティストのライブでも1万円弱はするのが普通。1日がかりのフェスなどであればチケットが1万円を超えるのも珍しくはない。そう考えると決して高くはない。決して高くはないのだが…

チョッピー
チョッピー

今の僕は収入がほとんどないからな…。去年の年収なんて10万円くらいだし…。4,200円ってそれの1/20くらいの額だぜ…。うーん…。

繰り返しになるが僕はクラシックコンサートへの参加経験がない。つまり、クラシックコンサートを楽しめるかどうかは未知数。楽しさが未知数のイベントに4,200円を出せる程の経済的余裕が今の僕にあるのか…?

それに、いくら田中泰延さんが「ほんとに誰か一緒にいかへん?」と「誰でもいいから行こうぜ」と呼びかけておられるとはいえ、知識も経験もない人間が参加してもよいものだろうか? さすがにそんなレベルの人間がノコノコと参加すると迷惑なのではないか? 僕は作曲者や曲のタイトルすら初耳なのだぞ…?

でも、この機を逃すと僕の人生でクラシックコンサートを楽しむ機会は二度と訪れないかもしれない。その可能性は高い。だって、僕はもう35歳。その35年の人生でクラシックコンサートには1度も行っていない。つまり35年間に渡って自発的に行こうとしない限りクラシックコンサートには行かない人生を歩んでいるわけだ。こんな好機が残りの人生で再び訪れるとは限らない。

そんな逡巡の果てに、僕は清水の舞台から飛び降りるつもりで次のツイートをした。

最初の田中泰延さんのツイートが投稿されたのは午後2時41分。次の僕のツイートの投稿時間は午後3時21分。40分近くも「行くべきか行かざるべきか。そもそも行っていいのか否か」で悩んでいたようだ。

チョッピー
チョッピー

悩みすぎ

決められない男チョッピーの面目躍如である。その後、田中泰延さんから次のツイートが。

なんて優しいお言葉…。許可のみならず楽しみ方まで教えてくれるなんて…。ここで決心が固まった。

大阪フィルハーモニー交響楽団第546回定期演奏会 感想

結論から述べると素晴らしかった。参加前に「楽しめるのだろうか?」などと考えていたのは完全に杞憂だった。

バカみたいな感想で恐縮なのだが、演奏が始まった直後からその音の良さに圧倒された。普段、僕がPCに接続されたスピーカー・イヤホンを通して聴いているYouTubeやサブスク配信などの音楽とは一線を画する音質。(実は一緒に参加した妻も同じ感想を抱いていた)

チョッピー
チョッピー

こ、これが本当の音楽か…

もちろんポピュラー音楽のライブやフェスの音も良いのだが、それらとはベクトルが全く違う。少しもうるさく感じないのに、そこで鳴っている全ての音がストレートに耳に届く。「弱い音」もその弱さも含めて全て聴こえる。

また、指揮者の齊藤一郎氏の動きもスタイリッシュで非常にカッコよかった。もちろん指揮者なので、それらの動きは基本的に演奏家たちに向けた指示のためのモノなのだろうけれど、観客の僕の目にはまるでダンスを踊っているかのように見えた。

曲も素晴らしかった。特に僕は2曲目に演奏された「ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調」に惹かれた。メロディーも展開も僕の想像をはるかに超えるモノが紡がれていた。予定調和をひとつも感じさせない。事前にYouTubeで聴いたモノと同じ曲だとは思えない。

高品質な楽器・考え尽くされた音響設備・プロフェッショナル達の神業的な技術…これら全てが合わさって初めて顕現する奇跡。まさに桃源郷。大阪フィルハーモニー交響楽団第546回定期演奏会はこの世に存在するのが信じられない程の素晴らしさだった。少なくとも僕にとっては。酒池肉林とはこの事か!!

チョッピー
チョッピー

酒池肉林は違うだろ

うん、酒池肉林は違う。でも、本当に素晴らしかった。

キッカケがあれば行ってみるべき

今回、僕はたまたま田中泰延さんが「ほんとに誰か一緒にいかへん?」と広く呼びかけられていた事をキッカケに初めてクラシックコンサートに参加した。結果、とても素晴らしい経験が出来た。

やはり何か初めての事を経験できるチャンスがあるのならば、そこに飛び込んでみるべきだと思う。飛び込まない理由は無数に考えられる。実際、こんな事を言っている僕も40分に渡り「行くべきか行かざるべきか」を悩んでいた。

飛び込んだところで、そこが桃源郷である保証もない。もしかしたら地獄かもしれない。それは飛び込んでみないとわからない。でも、仮にそこが地獄だったとしても、それはそれで「自分が何を好み何を嫌うのか」についての学びとなる。

どこかに飛び込んだ経験は、きっと、その後の人生の糧となるハズだ。

チョッピー
チョッピー

酒池肉林が待ってるかもしれないし

それは知らんけど。

本日の締め

今回は僕の経験を基に「何事も機会があれば飛び込んでみた方がいい」という考えを書いてみました。

飛び込んだ先が地獄だった経験を持つ人の中には「飛び込むと損」という考えを持っている方もいらっしゃるかもしれません。個人的には「その時、飛び込んだ先にあったのがたまたま地獄だった。次は違うかもしれない」という考え方をした方が桃源郷に辿り着く可能性は上がるのではないかな…と思っています。

本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。

しかし本当に大阪フィルハーモニー交響楽団第546回定期演奏会は素晴らしかったです。キッカケを作って頂いた田中泰延さんには本当に感謝。

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