【Daily Choppy !】第202回:「ODPサロン vol.18 アライプラスチック 代表 新井 孝徳 氏 デザインを通して社会課題に取り組むデザイナーができること。」に参加してきました。感想をシェアします。

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こんにちは。チョッピーです。

本日の記事について

「大阪デザイン振興プラザ」というインキュベーション施設があります。

インキュベーション(incubation)

《抱卵・培養・保育の意》設立して間がない新企業に国や地方自治体などが経営技術・金銭・人材などを提供し、育成すること。

インキュベーション|コトバンク

クリエイターに特化したインキュベーション施設です。

大阪デザイン振興プラザ(ODP)は、クリエイティブ分野で独立を考えている人や独立まもないクリエイターを支援するためのオフィスを備えたクリエイターに特化したインキュベーション施設です。

ABOUT ODP|大阪デザイン振興プラザ

先日、こちらで「ODPサロン vol.18 アライプラスチック 代表 新井 孝徳 氏 デザインを通して社会課題に取り組むデザイナーができること。」というセミナーが開催されました。僕も参加してきましたので感想をシェアします。

感想

セミナーの様子
セミナーの様子

そもそもどうして参加したの?

今回のセミナーは僕が今まで「Daily Choppy !」で共有してきた経営系や営業系のセミナーとかなり毛色が異なるので、その感想を述べる前に「そもそもどうして参加したのか?」という点を最初にご説明します。

ふらとぴは「ふらとぴについて」ページにも書いている様に「様々なコンテンツを楽しみつつ、障害者の就労を応援する事が出来るウェブサイト」です。言い換えると「社会課題をコンテンツによって解決するクリエイター(ふらとぴクリエイター)が作っているサイト」となります。

現在のふらとぴクリエイターは3名ですが、こちらは今後、障害者・健常者の区別なくドンドン増やしていきたいと考えています。それに先駆けて「今現在、僕たち以外に社会課題に取り組んでいるクリエイターの方はどういう方なのか」を知るために、今回のセミナーに参加しました。

セミナーの内容

登壇者情報

公式サイトのページより引用します

新井 孝徳 氏 アライプラスチック代表、キッズプロジェクト デザイナー

1985年大阪生まれ。デザイン系専門学校卒業後、看板制作会社、広告企画制作会社を経てフリーランスとして独立。2016年よりキッズプロジェクトにデザイナー・アートディレクターとして参画。途上国支援のNPOにもデザイナーとして所属し、社会課題解決のためソーシャルデザインに取り組む。

twitter

ODPサロン vol.18 アライプラスチック 代表 新井 孝徳 氏|大阪デザイン振興プラザ

新井さんが語られたこと

ザックリとお伝えすると以下の内容が語られました

  1. これまでの経緯
    ・デザインとの出会いは新井さんの父親が経営していた看板屋さんへの就職時。そこで看板のデザインをAdobe Illustratorを使って作っていた。それまでデザインを勉強した事は無かったので独学。24歳~25歳の頃。
    ・デザインを本格的に勉強したいと思っていたところ、父親が亡くなりお店を畳む事に。それをきっかけにデザイン専門学校に入学。
    ・広告企画制作会社に入社。かなりブラック。デザインの基礎をここで学ぶ
    ・フリーランスに転身
    ・いとこに声をかけられ、彼が代表を務めていたGOODEARTHというギニアの貧困を解決するNPOで働く事に。
    ・NPOではデザイナー仲間との繋がりが無かったため、大阪デザイン振興会でデザイナー仲間を集める。
    エンジンズというゲーム制作会社で「キッズプロジェクト」という子供向け事業に参画。ここで初めて「チームで働くこと」を経験。「チームで働く」と「個人で働く」の両方をバランスよく行うのが新井さんには合っている、とのこと。
    ・現在はColorbathというネパールと日本の子どもたちの交流を促進するNPOのお仕事をする事で異文化にも触れている
  2. デザインを通して社会課題に取り組むことについて
    ・社会課題に取り組み始めたきっかけらしいきっかけは特に無いが、もともと高校生の時からテレビで社会課題の話題などが取り上げられている番組を観るとしばらく考え込む子供だった。また、広告制作会社で過酷に働いていた時に自分のしたい事はこれではない…とも思った。さらに、NPOで働いている時にNPO等におけるデザインの必要性を感じた。スゴくいい事をしていたとしてもNPO等の提案書はデザインの問題でそのままでは伝わらない事が多い。人に何かを伝えるためには共感が必要で、それにはデザインの力が役に立つ。これらの複合的な要素からデザイン通して社会課題に取り組む事になった。
    ・デザインを通じて社会課題に取り組む事にはいくつかの壁がある。まず、社会課題の解決はマネタイズが難しいので、直接、社会課題の解決とは関係の無い業務などで売上を上げる必要があったりする。やりたい事に専念する事が出来ない。また、SDGsを啓蒙するためのイベントで大量の紙などのゴミが出る事に矛盾を感じたりもする。そもそも社会課題を解決するために十分な力が組織・自分自身に足りていない。これを解決するためにマネタイズをしっかりと考え、プロジェクトを回し続ける必要がある。
  3. これからやりたいこと
    ・世界を知っていきたい
    ・デザイン力を強化したい
    ・仲間を増やしたい
    ・デザインで社会課題を解決する事をやり続けたい

チョッピーが感じたこと

今回のセミナーを聞いて思った事はクリエイターの方の行動原理には「金銭的価値や論理的な整合性ではなく個人的な意味を優先する」というモノがあるのではないかな…という事でした。

実際、新井さんのセミナーの内容にはお金に関する話題は「継続するためのマネタイズ」しかありませんでした。これはおそらく金銭を「目的ではなく手段」と捉えられているからなのではないかと思います。

もし、そうなのだとすると、これは「ふらとぴ」の思想とかなり近い考え方だと言えます。実際、僕は「ふらとぴ」がサービスを開始してから間もない頃の「Daily Choppy !」にて以下の様に述べています。

「利益」は経営の結果に過ぎない。それを目標とする事は経営の本質を見失っている。

【Daily Choppy !】第11回:正しくあるための経営学について|ふらとぴ

少なくとも方向性において「ふらとぴ」は「社会課題を解決したいと考えているクリエイター」との間に衝突が起こる事は少ないと言えるのかもしれません。

本日の締め

今回はクリエイターとしてずっと働いている方のお話を聞く…という貴重な機会が得られて良かったです。特に僕は個人的にアートの分野で活躍している方に無条件の尊敬を抱くパーソナリティの持ち主なので、今回のセミナーにはかなりの満足感がありました。今後はこちらの分野のセミナー等にも継続的に足を運んでいきたいと思います。

ちなみに大阪デザイン振興プラザは「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」という複合施設に入居しています。そこに僕が大好きな作品である「魔法陣グルグル」感に溢れるオブジェがありましたので思わず写真に収めました。今回の記事とはまるで関係ないのですがオマケとして掲載して本記事は終わりたいと思います。

本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。

魔法陣グルグル的なオブジェ
魔法陣グルグル的なオブジェ

僕、「システムエンジニア」×「MBA」というアートとは対極にある様なキャリアの持ち主なのですが、たぶん、考え方とか指向とかの根本的なところはアート寄りの人間なんだろうなぁ…と思います。

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