【今日の山頭火さん】第36回:2月9日の山頭火さん

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February 9,2023 #36 88 years ago 2月9日の巻 雪ふれば雪を観てゐる私です
『今日の山頭火さん』第36回で利用する画像です
2月9日の山頭火さん

今日の山頭火さんは、其中庵のある小郡から、汽車で徳山の知人を訪ねています。

雪ふれば雪を観てゐる私です

この冬、私の住んでいる関西でも、雪が降るのを多く見ました。

山頭火さんのように、雪を観る。というほど見ていたわけではありませんが、それでも、窓の外を眺めている時間が、いつもの冬より長いと思います。

私も、ずいぶん昔に、一晩中、雪を観ていたことがあったのを、思い出しました。

忘れていた事を思い出すと、だいたい、ろくなことがないのですが…

夜中に目が覚めると、窓の外は雪。

吹雪くというわけでもなく、粉雪が舞うというのでもなく、取り立てて気になる降り方ではありません。

ただ、目に映る、雪の大きさやその量、降ってくる速さ、

それらがひとつになり、一定のリズムを刻んでいるようでした。

そこに、自分のリズムが、偶然ぴったり重なりあったのかもしれません。

時間が意識から切り離されたように、一晩中、あきもせず、雪が降るのを観ていました。

雪の降る音などありませんから、唯一の音は、隣から聞こえる小さな寝息だけ。

それを、聴きながら、雪を観ていました。

ほら、こんな事思い出しても、ろくなことがない。

さらに、小さな寝息と違いました、小さな鼾でした。

ちょっと、いい感じに書こうとしました。すみません。

そもそも、その鼾で目が覚めたんです。

外は雪ですか。そうですか。

時間を忘れますか。そうですか。

砂時計の砂の代わりに、雪を詰めてひっくり返す。

雪時計が時を刻み始めると、時間は溶けていくそうですよ。

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